【バイリンガル子育て】自信をもって意見を口にできる教育 – サスティナブルな将来を考えるワークショップ –

サスティナブルな将来についてのワークショップの様子

オーストラリアは冬休み真っ最中です。幼なじみや学校のクラスメートと遊んだり、家で好きなことをしたりと、息子もわたしものんびり過ごしています。

さて、スクールホリデー中の過ごし方でわたしたちの定番になっているのが、図書館のイベントに参加することです。どの企画も、だいたい10〜20人くらいが集まっていて(数人のことも!)、こじんまりと開催されています。

今回のスクールホリデー中のテーマは「KIDS GO ECO!」で、先日、“Sustainable Futures Workshop”に参加してきました。

保護者もその場に居続けるので、我が子を含め、子どもたちの様子を見ることができます。日本で教育を受けたわたしには、自分の経験との違いが垣間見られる興味深い時間です。

今回は、ワークショップの様子とその中で感じたことをまとめます。

目次

「サスティナブルな将来を考えるワークショップ」の内容

10人前後の小学生とその保護者が図書館内の部屋に集まりました。“Sustainable Futures Workshop”を開催してくれたのは「bop」という教育機関の方たちです。専門性の高い知識をもつ20代の女性2人の自己紹介からはじまりました。

そして、人口増加やそれにともなう食料問題、気候変動など世界が直面している不安事項、これから起こりうるであろう問題を具体的な数字を示しながら説明してくれました。

その後、小さな取り組みから大きな都市計画まで、世界の各都市で進められているエコフレンドリーな活動の事例紹介へと続きました。IKEAで買い物をすることの意味、インドで進んでいる計画都市、植物工業野菜をつくっている日本の企業についてなど、わたし自身が知らなかったことばかりでした。子どもたちは聴きいっていましたし、わたしも真剣に耳を傾けました。

サスティナブルな将来についてのワークショップの様子

その後、「あなたなら、どんなアイデアがありますか?」との問いかけがありました。次の、そのまた次の世代にもつなげていける持続可能な社会の実現のために、何ができるのかを考えます。

これからの街の在り方や暮らし方をデザインしてみてくださいというお題のもと、それぞれが、まずは画用紙上にアイデアをだしていきます。

親子であれこれ会話するグループ、ひとり黙々と手を動かす子、さまざまです。bopのスタッフが各テーブルをまわって、声をかけてくれます。「こういうところ、オーストラリアだなぁ」と思ったのは、子どものアイデアを丁寧にきいて、大きなリアクションとともにほめてくれることです。サンプル事例と似たようなことしか思いついていなくても、「その考え、いいと思うよ!」とまずは受けとめ、「じゃあ、こういう場合はどうする?」など、さらに考えが広まるように促してくれます。

「さっきの例と同じでしょ?」と否定されたら、その瞬間に気持ちが萎えてしまうかもしれません。子どもの思考をとめずに、考えを深めていけるように導くことって大事だなぁと感じました。

手書きでアイデアをだしたら、それを形にして、発表できる状態にまとめていきます。iPadにマインクラフトやデザイン系のアプリがいくつか準備されていて、好きなツールで仕上げます。子どもたちもアプリの使い方を心得ていて、ささっと使いこなす子もいれば、手書きの図を完成させる子もいました。粘土で表現するというオプションもありました。

人前で話すことには慣れっこ?

サスティナブルな将来についてのワークショップの様子

息子はあれもこれもとアイデアだしがとまらず、アプリを使うことなく手書きで完成させました。

「皆に自分のアイデアを発表したい人はいますか?」「ちょっとしたご褒美もありますよ」という声に、ほぼ全員が手をあげました。ご褒美といっても、bopのステッカーや小さな飴玉だったので、それは手をあげるきっかけ程度だったと思います。

あてられた子は、ごく自然に前にでて(座っていた椅子の横でもいいはずですが、前にでる!)、皆の方を向き、話しはじめます。しっかりハキハキ、堂々とした話ぶりです。「すごいな〜」と感心せずにはいられません。

結局、全員が手をあげ続けるので、数人を選ぶはずだったところ皆が発表しました。“show & share” や“show & tell”など、人前で何かを話すことは幼稚園の頃からしているので、慣れているんですよね。その場の視線が自分に集まる中で話すことに、恥じらいやためらいがない様子でした。

正解かどうか、素晴らしい発想かどうかは関係なく、思いついたことや考えたことを口にすることに抵抗がないようでした。むしろ、発表したくてたまらない感じが伝わってきました。まずは聴いてもらえる(自分の意見を否定されない)と、わかっている。きっと、学校でも、こういう経験をたくさんしているんだと思います。

さいごに

もちろん、いきなり「それは違うよ!」と指摘される場面もあると思いますし、人前で話すことが苦手な子たちもいるはずですが、それにしても、この堂々ったる話ぶりには、羨ましささえ感じました。

“自分の考えを皆の前で口にする”、“人の意見やアイデアが自分のものとは違っても、まずは聴いてみる”姿勢は、大人になってからでも大切なことですよね。1時間ほどのワークショップで、オーストラリアの学校生活で身につけていることの一部を垣間見てきました。

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