先日、息子がクラスメートと、そのお祖母さんに連れられて「Tropical Fruit World」へ遊びにいってきました。
ゴールドコーストから車で片道1時間と、ちょっとした遠出なので、心配と不安がありました。息子が大丈夫かどうか？ ちゃんとふるまえるのかどうか？ だけが気になったんですよね〜。
楽しんでいる様子の写真や動画を送ってくださるので、その都度ホッとできたことはありがたかったのですが、その日は丸一日ソワソワして過ごしました。
子離れしないといけない局面は、わたしにとって、子育て中の最難関でもあります。
遊びに連れていってもらうとき、いくら持たせるか？
バックパックに水筒や着替え（念のため）を準備していると、「いろいろ観察してくる！」と双眼鏡やコンパスなどの小物を自分で入れて息子もはりきっていました。そして、「さて、お金はどのくらいいるかな？」と息子と相談しました。
「Tropical Fruit World」のウェブサイトで入場料＆ツアー料金を確認し、そこにランチ代を加えて、ちょっと多めに持たせたとしても50ドルくらいがよさそうです。でも、50ドル札だけだと使いにくいかなと思い、支払い作業も経験の1つなので、息子が考えて使えるように10ドル札や20ドル札を混ぜて、合計60ドル持たせることにしました。
これまでどこに行くにも親が一緒で、息子は自分のお財布すら持っていないことに、そのときになって気がつきました。結局その日は、幼稚園時代にしていた“しまじろう”の付録にあった、かわいらし〜いお財布を持っていくことになりました。恥ずかしがることもなく、そういう“見た目”については、気にならないようです。息子らしい（笑）。
チョコレートひと粒あたり1ドル？ 石けん12ドル？
日も暮れそうな時間になってようやくお迎えに来てくださいとの連絡がありました。
お祖母さんからその日の様子をうかがい、お友だちも息子も楽しい時間を過ごしたようで感謝感謝です。そして、「バックパックは持った？ この紙袋も忘れないでね〜」と荷物をまとめてもらい、見送られました。
車の中で、わたしはたくさんの質問をしました。そして、ふと紙袋が気になったので息子にたずねると「ぼくから、お父さんお母さんにお土産だよ」とのこと。
帰宅してさっそく中身をとりだしてみると、レモン2個とみかん1個、殻に入ったままのマカダミアナッツ（わたしの大好物！）、チョコレートの小袋、石けん2つでした。
細かくきいていくと、ギフトショップで選んだチョコレートと石けん2つは自分のお財布からお金をだして買ったとのことでした。レシートも入っていたのでチェックしてみたら、石けんがそれぞれ12ドル、チョコレートが17.95ドルで、合計41.95ドルを使っていました。お財布の中の残金も合っています。
「えぇ〜！！」と驚きました。
まずは息子の金銭感覚。息子はひょうひょうとした様子で「残りのお金でブルーベリーの苗を買おうとしたけれど、車に入らないからあきらめた」と語ります。このことからも、持っていった60ドルで、気になったものはすべて買うつもりだったようです（わたしたちへのお土産という気持ちが前提ですが）。あるだけ使ってもいいんだという感覚に、びっくりです。
が、それはそうだなと納得したんです。お金について、これまで話してきかせたり説明したりしたことがなかったのです。
物の値段についてもそうです。いつも自分が食べているチョコレートの値段も知らないだろうし、この石けんが高いかどうかも、その判断基準すら持っていないんですよね。
そして、「じゃあ、ツアー代とかランチとか、このフルーツとかは？」ときいたら、どうやら払ってもらったようです。また、びっくり！ お金を持たせていることはお祖母さんに伝えていたのですが……。すぐに連絡してみたら、どうやらその日は、招待のお気持ちで誘ってくださったとのことでした。
今回はお言葉に甘えることにして、その心遣いと素晴らしい経験を息子にさせてくれたことへの感謝の気持ちをお伝えしました。お互いが気持ちよくいられる上手な物言いや態度が、とても勉強になりました。
さいごに
ひと粒あたり1ドルするチョコレートは確かにおいしかったですし、12ドルのラベンダー石けんは香りが豊かです。“アボカド・チョコレート石けん”なるものは、使うのが楽しみです。なにより、息子の気持ちが嬉しかった！ お土産を買ってきてくれるなんて思ってもいなかったので、感激しました。
今回のおでかけ、親子共々、本当にいい経験になりました。息子は現在9歳です。お金のことをふくめ、これから親として伝えていくべきことについて改めて考えさせられました。
