オーストラリアで子どもの習い事といったら、運動系だけでも水泳やサッカー、AFL、ジムナスティックス、ダンス、テニス、ゴルフ、クリケットなど、たくさんの選択肢があります。
プレップで仲良くなった友だちに声をかけてもらい、息子は5歳から野球をしています。
先週で今シーズンがおわったのですが、練習や試合を見学していて「褒めて育てる」ことについて考えさせられました。
ゴールドコーストで野球?
誘われて見学に行くまで、ゴールドコーストで野球をするというイメージがまったくありませんでした。
実際に関わってみると、地域ごとにチームやグラウンドがいくつもあり、下は5歳前後から上はおじいちゃん世代まで、幅広い年代が楽しんでいることに驚きました。
もちろん、女の子の選手もいます。
ベースボールではなくティーボール(T-Ball)
小学1年生の息子は、「Aussie T-Ball」とよばれるグループに属しています。
ティーボール(T-Ball)では、投げる、打つ、ルールに従ってプレイするなどのスキルを身につけ、スポーツを楽しむことが目的です。
ティーボールの試合ではピッチャーがいません。バッテイングティーの上に置かれたボールを打ちます。すべての選手に打つ機会がまわってきますし、守りでは各ポジションを順番に受けもちます。
野球の基本を習っている段階ですね。
とにかく褒める
練習でも試合でも、コーチは子どもたちをとにかくたくさん褒めます。
「Well Done!」「Good Job!」「Much Better!」など、褒めたり励ましたりといった声かけが盛んです。
ボールをキャッチできなくても、ヒットを飛ばせなくても、どんなプレイでも基本的にはまず褒める。それから、どうしたらもっと良くなるのか、体の動きやスィングの改善点を伝えます。
だから、ヘマをして落ち込んだり、失敗を恐れてしり込みしたりしている子どもを見たことがありません。練習や試合をのびのび楽しんでいる雰囲気です。
もちろん、コーチが話しているときにおしゃべりしたり、チームメートの練習の妨げになることをしていたりすると、そこは厳しく注意されます。
日本で育ったわたしは、スポーツやクラブ活動というと、先生方や先輩たちに怒られながら厳しく指導されれた記憶があります。
もっと緊張感がただよっていました。
「褒められたことなんてなかったな〜」とか「とにかく苦手意識が強かったな〜」と昔をなつかしく思い出し、このように褒めてくれるオーストラリアの環境をうらやましくも感じます。
さいごに
先日、中学生の試合を観戦したのですが、なかなかストライクがきまらないピッチャーに向かってコーチが「Bad Luck!」と声をかけていてびっくりしました。
こんな状況で「Bad Luck」なのか! と(笑)。
チームメイトや応援団からのヤジも一切ありません。
そんな雰囲気なので、ファーボールを繰り返して焦っている様子だったピッチャーの子も、最後まで投げ続けました。
打てなくても、三振しても「Good Try!」「Next Time!」です。
そんな様子を眺めていて、褒めて励ましてもらうことの良い点は、「次は頑張ろう」と前向きになれることかなと思いました。
「なぜ、できない?」「なぜ、こうなった?」と責めるのは簡単ですが、それだけでは次につながりません。
「事実はこうだった」「残念な結果だった」と認めたうえで「次はどうしようか?」「どうしたら、もっと良くなると思う?」など、一緒に考えていくことがとっても大事なのかと。
褒めることがいいのか?
厳しいことがいいのか?
どちらが良い悪いとも思いませんし、どうしたら伸びるかは子供によっても違いますよね。結局、大人がきちんと向き合っているかそうでないかは、子どもに伝わりますよね。
そういう点では、息子が所属しているチームの担当コーチや関係者たちは、たくさん褒めながらも、息子が苦手な部分についてはしっかり教えてくれていると思います。
海外での子育て、おもしろいです。